私は、これまでの人生で3度、暗闇に落ちた。
一度目は 母親との関係、 二度目は 自分との関係、 三度目は恋人との関係によるものだった。「一番分かってもらいたい人に自分のことを分かってもらえない。」だから自分の殻に閉じこもって、「自分さえ自分のことを理解できていればいい」と信じ、自分のことを他人に開示するのをあきらめた。そうやって、自分の内側だけで、自分を理解しようともがき続けたにも関わらず、私は20代半ばで「自分」を見失った。
真っ暗だったし、ひとりぼっちだった。
自分のことは自分しか分からないはずなのに、その唯一の理解者がいなくなってしまった絶望。このさき自分は誰にも理解されずに死んでしまうのではないかという恐怖。そんな暗闇の中でも自分を照らしてくれた「光」になったのは「言葉」だった。「自分と向き合うこと」と「他人と向き合うこと」。「自己対話」と「自己開示」。
自分と向き合うだけでは足りないし、他人と向き合うだけでは足りない。自分と深く繋がれている実感、そして、他者と深く繋がれている実感。この2つは、心をあたたかくする。そして、そこに必ず存在するのが「言葉」だ。
「心の声」を「言葉」にして吐き出す。これだけであなたは救われる。
暗く広い夜の海に放り出されても、もがき続けて見つけた、「言葉」という光。今、自分と同じように、暗く広い夜の海でさまよっているあなたにとって、本書が未来を照らす光になりますように。