心に刺さる詩や文章を読んだとき、私たちは感動する。
自分もこんなものを書いてみたい、と一瞬思う。
でもたいてい、私たちはこんな理由で踏み出すことを諦める。
「自分の才能じゃ、良い言葉なんて出てこないから」
「自分には表現したいことなんてないから」
だけど、本当にそうだろうか?
「確固たる自分」「他の誰にもマネできない自分だけの感性」なんてものがないと、良い芸術作品は作れないのだろうか?
こんな句がある。
“良い寿司は関節がよく曲がるんだ”
何回読んでも、何が言いたいのかよくわからない。意味不明と言っても良い。
でも、どこかユーモラスで気が抜けて、しかもずっと頭に残り続けるインパクトがある。
もし、こんな句があなたにも書けると言ったら、どう思うだろう?
これは、現代川柳という分野で活躍する、ある一人の女性を話を聞いたインタビューだ。
彼女は言う。
「自分には何もないと思っている人こそ、川柳が向いているのかもしれません」
さあ、「感性の呪い」という固定観念を脱ぎ捨てるときだ。