「最近、めっちゃ面白いことやってて、生きがいになってるんだ」 あなたの大切な人が、幸せそうにそう語る。 「良かったじゃん!」 あなたは最初、心から喜びを覚える。 でも、よくよく話を聞いてみると、なんだか怪しげな言葉がいっぱい飛び出してくる。 師匠、セミナー、成功、不労所得……? 挙句の果てに、キラキラした目でこう誘ってくる。 「絶対に幸せになれるから、君もやってみなよ」 あなたは少し困って、曖昧な返事を返す。 「ああ、考えとくね……」 よく見たら、まっすぐな光を放つ目のすぐ下に、暗くて大きなクマが出来ていた。
それからしばらくして、大切な人と連絡が取れなくなった。 「めっちゃ面白いこと」をやるためにお金が必要で、 そのお金を稼ぐために家を出てしまったみたいだ。 あなたは考える。大切な人が生きがいと思っているものは、 誰かに作られた生きがいじゃないのか? 目にクマを作るくらいキツくても頑張らなきゃいけない状況なのは、 それをやれば幸せになれると「信じさせられている」からではないのか? あなたは考える。
大切な人の幸せを、誰かが奪っているんじゃないのか?
あなたに知ってほしい。 そして、あなた自身の大切な人に置き換えて考えてみてほしい。 これは、俗にマルチ商法と呼ばれるものに幸せを奪われたある人から、 あなたへの心からの訴えだ。